部下は道具ではない!物流会社の現場を復活させたリーダーがやったこと

かつて生産性ナンバーワンだった日本の製造業を中心とする企業が、なぜ世界の後塵を拝するようになってしまったのか。DOL特集『ルポ 闘う職場~働き方改革では生産性は上がらない』では、日本企業を覆う「仕事力損壊」の実態を浮き彫りにしつつ、そこからの脱却を目指す企業人たちの悪戦苦闘のドラマをリポートしていく。第7回は、常に受け身だった部下たちを、いつしか「道具」として扱っていた物流会社のリーダーがいかに考え方を変え、その結果、組織はどう変化したのか、つぶさに追った。(ライター 根本直樹)

巨大物流の出発点を
裏で支えてコントロール

 少しでも遅れたり、対応が悪かったりすると、たちまちクレームの嵐となるのが物流の現場だ。期日通りに届いて当たり前。誰もがそう思っているが、その当たり前を維持するのに日々奮闘している人々がいる。キリングループロジスティクスの加藤康仁(44歳・西日本支社物流管理部京滋支店所属・部長補佐)もその1人だ。

 加藤は現在、キリンビールとキリンビバレッジの滋賀工場内にある、物流倉庫の管理を一手に担っている。加藤に構内を案内してもらった。