【ワシントン】米国の失業率が50年振りの低水準に近づき、企業が日常的に不満を漏らすほど労働力が不足していることを踏まえると、米国の労働者は交渉力が増し、経済活動の利益の分け前は増えていると思うかもしれない。  ところが、そうではない。  米国の国内総所得(GDI)に占める賃金・手当の割合は1970年から低下しており、現在の景気拡大でも米国が大恐慌から抜け出そうとしていた時代以来の低水準からほとんど回復していない。