「これさえあれば、「数字に強い人」になるのなんて、カンタンだ! 巨額マネーを動かす外資系投資銀行のエクセルノウハウを使ってどんなビジネスでも通用する万能スキルを手に入れる。大手総合商社、世界的メディア企業、金融機関、グローバルIT、巨大通信企業、外資系コンサルなど、多くの企業で採用されているエクセル人気講座を書籍化した『「それ、いくら儲かるの?」外資系投資銀行で最初に教わる万能スキル エクセルで学ぶ ビジネス・シミュレーション超基本』のエッセンスを紹介。

エクセルでつくる事業計画に必要な関数はたった1つだけ

事業計画は3パターン作って「幅」でシミュレーションする

 事業計画を策定する際には、必ず何パターンかケースを作成します。楽観ケース、普通ケース、悲観ケース、といった具合です。言い方はいろいろあります。楽観ケースはアップサイドケース、アグレッシブケース、ポジティブケースなどと呼ばれることもあります。

エクセルでつくる事業計画に必要な関数はたった1つだけ

 M&Aの世界では、ケース分析がよく使われています。たとえばXYZ社を1,000億円で買収する際、その1,000億円という金額の妥当性について投資銀行は次のように説明します。

[1]XYZ社の将来収益を何パターンか作成する(一般的には3パターン)
[2]最悪のケース(悲観ケース)の将来収益に基づく企業価値は1,000億円
[3]そのため、このXYZ社を1,000億円で買収するのは「金額としては高すぎ
ないので買収する価値は十分」

 事業計画、将来収益は極めて不確実性が高いものです。楽観ケースと悲観ケースを作成して、将来を「幅でシミュレーション」することで「最善を望み、最悪に備える」ことができます。