桜蔭・雙葉・豊島岡女子・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、保護者から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの学習メソッドが凝縮された最新刊『女の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)の内容から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「女の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。

娘に「自分の人生のリベンジ」をさせる子育てをしてはいけない

「期待」を「願望」にすり替えない

 中学受験にあたって、親としては「○○に受かってほしい」「もっと、レベルの高いところを目指してほしい」という気持ちが湧いてしまうのは仕方のないことです。しかし、それを子どもに背負わせてはいけません。彼女たちはまだ、幼いのです。

 彼女たちは幼いが故に、親の期待が自分にとってつらいものになってきてもそれを表現する力がありません。だから、なおさら親はそれを押しつけてしまい、あるとき、親と子どものパワーが逆転したときに、大きな反抗となって返ってきます。

 子どもに期待をかけすぎてしまうのは、父親より母親が多いようです。とくに女の子の場合、専業主婦の母親は自分の人生をリベンジしようとして期待をかけます。

 女性の生き方は多様であり、専業主婦は立派な仕事です。しかし、かつてのように専業主婦が圧倒的多数ではなくなり働く女性が増えた今、「本当は私ももっと社会で活躍したかった」という敗北感があり、そのリベンジを娘にさせようとしてしまうようです。

 あるいは、働いているけれど男社会で苦労し、「娘にはもっと上を目指してほしい」と望むケースも多く見られます。でも、もしかしたら娘は、「私は専業主婦になりたい」と考えているかもしれないし、なによりも娘の人生は娘が決めればいいことです。

 女の子は真面目ですから、親の期待に応えようとし、応えられなかったときには「自分はダメだ」と考え、潰れてしまいます。

 まさに、今盛んに言われている「毒親」にならぬよう、女の子を自由に解き放ってあげてください。