新興国市場に、ここ1年で最も速いペースで資金が流入している。世界の指標が総崩れしてからわずか数カ月で投資家のリスク選好度がいかに回復しているかを物語る動きだ。  世界各地の中央銀行が慎重姿勢に転じ、世界貿易への警戒感も和らいだことから、資産運用者はリターンを求めて、中国株からチリ・ペソまで世界中のあらゆる資産を買いあさっている。国際金融協会(IIF)のデータによると、今年に入ってから新興国株や債券に流入した資金は約860億ドル(約9兆6200億円)で、2018年4~12月の流入額を既に上回る。