――筆者のクリストファー・ミムズはWSJハイテク担当コラムニスト ***  2016年4月、米ウィスコンシン州の最高裁判所で、エリック・ルーミス氏の弁護団は依頼人が21世紀特有の権利はく奪を経験したと訴えた。コンピューターのアルゴリズムによる差別を受けたというのだ。  その3年前、ルーミス氏は警官から逃れようとした罪と他人の車を無断で運転した罪で有罪判決を受けた。判決に際し、判事はエクイバレントという企業の人気ソフトウエア「COMPAS」を活用した。このソフトは、薬物乱用の兆候、家族による支援の有無、初めて逮捕された年齢といった要素を加味し、再犯の確率を計算する。