東大を独学で現役合格し、さらに東大大学院を受験で合格。学生時代から取得した資格の数は600を超える。これまで20年以上、試験をずっと受け続けている著者だからわかる、点数をとるワザを紹介していきます。小手先のテクニックではなく、長く勉強し続けていくために必要な戦略が詰め込まれている東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える点数稼ぎの勉強法から、一部抜粋して紹介していきます。東大に受かる人や本当に頭のいい人の学ぶ姿勢は、必読です。

勉強できる人ほど、
ゲームをしている?

 勉強に集中するために、ゲームなどの娯楽は一切やめるべきだと主張する人がいます。

 しかし、ゲームと成績の関係性について国内外でさまざまな調査が行われていますが、それらの結果を見ると、ゲームをやるかやらないか(もしくは、ゲームのプレイ時間が長いか短いか)は、学業の成績にはほとんど影響しないということはほぼ明らかだといえます。

 私も幼少期は、我が家のルールで「一日1時間」と決められていたゲームの時間だけを生きがいにしていたような子どもでしたが、成績は悪くなかったので、ゲームをやること自体については親から何も言われませんでした。

 東京大学新聞社によって現役東大生を対象に行われたゲームに関するアンケートでも、東大生が小学校時代に人並み以上にゲームに熱中していたことが読み取れます。

 少なくともいえるのは、ただゲームをやめるだけで勉強をするようになるか、成績がよくなるかというと、そんなことはないということです。

 毎日ゲームにかけていた時間がそのまま勉強時間に都合よくスライドするわけではありませんし、ゲームをできないことがストレスになって勉強のペースが鈍るということも考えられます。

 そうであれば、「ゲームをやっている時間にも、何か少しでも勉強につながることができないか」を考えるほうがよほど生産的です。

 勉強時間をもっと増やしたいと思うなら、娯楽や家事など他のことに使っている時間を犠牲にして勉強にあてるよりも、いっそ他のことに使っている時間を勉強自体と重ねてしまうことをおすすめします。

 娯楽などの「楽しいこと・好きなこと」と、勉強という「つらい(かもしれない)こと」をあえて組み合わせることによって、つらいことでもそこまで抵抗感をもたずに継続していくことができるのです。

 この原理をダイエットに応用して大ヒット商品となったのが、『TRF イージー・ドゥ・ダンササイズ』というエクササイズDVDです。TRFやエイベックスアーティストの大ヒット曲に合わせて、楽しみながらエクササイズできるというものです。

 有酸素運動や筋力トレーニングという「つらいこと」も、音楽やダンスなどの「楽しいこと・好きなこと」と組み合わせれば続けられるということで、多くの人が実際にシェイプアップに成功し、爆発的なヒット商品となったのです。この考え方はぜひ勉強にも導入すべきです。

 たとえば私は、ゲームプレイ中はかたわらに英単語集などの教材を置いておき、「ゲームプレイ中に発生するスキマ時間」にそれを少しでも読み進めるということをやっていました。データ読み込み待ち中や、レベル上げの単純作業中などの「画面を凝視していなくても問題ない時間」に、英単語をひとつでも多く覚えるようにするのです。

 また、ゲームをプレイしながら「過去の勉強内容を想起する訓練」もしていました。ゲームプレイの直前に勉強していた内容や、ゲームのスキマ時間中に覚えたばかりの内容を、本を見ずに頭の中だけで思い出せるかを自分でテストしてみるのです。「想起する訓練」は、いつでも何をやっているときでも、他の作業と並行して実践可能な勉強です。

 他にも、「ゲームをしながら片耳はイヤホンで英語のラジオを聴く」「鑑賞中のマンガや映画に出てくるセリフを英語に訳してみたらどうなるか考えてみる」などの「娯楽しながら勉強法」が考えられます。

「本当はもっと勉強しないといけないのに、娯楽に時間を浪費してしまっている」ことに罪悪感をもってしまい、そういう面でも勉強でストレスをためてしまう人がいます。

 そこで娯楽を我慢しようとするよりも、考え方を思い切って変えて、娯楽の中に何か少しでも勉強に関係する要素を取り入れられないかを考えてみましょう。

 娯楽を楽しみながら少しでも工夫して勉強するというのは、想像以上にかなりの量をこなせるものです。ちりも積もれば、けっこうな山になるのです。