ソニーが新製品を「アクションカメラ」と認めない本当の理由ヘルメットの上にあるのがアクションカメラ。ウェアラブルで激しい動きの撮影ができる Photo:iStock/gettyimages

 米ゴープロが2000年代から市場を開拓し、アウトドアでの動画撮影などで好評なのが、個性派カメラの代表格「アクションカメラ」だ。

 明確な定義はないが、特徴はウェアラブル(ヘルメット、手首、リュックサックなどに)、アウトドアでの使用に耐え得る設計(防塵・防水・耐荷重性)、扱いやすい小型軽量ボディ、手ぶれ補正付きの動画撮影機能など。スノーボーダーが趣味で装着したり、プロモーションビデオの撮影で使われたりと、民生用、業務用ともにさまざまな場面で使われている。

 スマートフォンの登場で、デジタルカメラ市場とビデオカメラ市場が縮小する中、活況のこのアクションカメラ市場へ日系メーカーはこぞって参入した。

 だが先駆者でブランドイメージを確立しているゴープロの壁は厚かった。調査会社BCNによると、ゴープロは18年12月の国内販売台数ベースのメーカー別シェアで78.9%と他を圧倒している。

「お客様からは非常に高い評価をいただいたが、期待していたシェアを獲得できなかった」(ニコン)などとして、JVCケンウッド、パナソニック、ニコン、カシオ計算機は18年までに相次いで撤退した(*カシオ計算機はデジカメ事業すべて撤退)。

 その中にあってゴープロには遠く及ばないまでも、「アクションカム」シリーズを展開して18年12月国内シェア8.9%の2位と健闘するのがソニーだ。

 ただアクションカムは16年を最後に新製品が出ておらず、ソニーはむしろ17年から販売のアクションカメラとは似て非なる「RX0」シリーズに傾注している。