東大を独学で現役合格し、さらに東大大学院を受験で合格。学生時代から取得した資格の数は600を超える。これまで20年以上、試験をずっと受け続けている著者だからわかる、点数をとるワザを紹介していきます。小手先のテクニックではなく、長く勉強し続けていくために必要な戦略が詰め込まれている東大→東大大学院→600個超保有の資格王が教える点数稼ぎの勉強法から、一部抜粋して紹介していきます。東大に受かる人や本当に頭のいい人の学ぶ姿勢は、必読です。

【独学は教材で決まる】教材選びの2つのポイント

自分に必要な教材を的確に選ぶ

 勉強の効果や生産性は、教材選びで9割決まります。

 使う教材の選び方を間違ってしまうと、勉強に時間や労力をいくら費やしても成果につながりません。

 試験での得点力を高めるために必要な教材は、
1.目指す試験の過去問、あるいはそれに準じる内容の問題集
2.その問題を解くにあたり、今の自分に足りない知識・スキルを身につけるための本

 だけです。これに当てはまるもの以外の教材にやみくもに手を出すべきではありません。

 試験では知識だけがいくらあってもダメで、実際に問題が出題された際に迅速確実に解ける態勢になっていなければいけません。知識をインプットするだけでなく、日々問題を解くことで実戦に体を慣らしておく必要があるのです。

 そして、実際に試験で出される問題を解けるようにするためには、過去問を解く訓練が絶対に必要であると同時に、過去問を解くことが最も効率的な対策です。

 出題の傾向や問題の形式などのパターンを体に覚え込ませることで、いざ本番に臨んだ際に的確な対応をとることができます。スポーツにおける基本動作の練習と同じです。

 また、「1.目指す試験の過去問、あるいはそれに準じる内容の問題集」に「それに準じる内容の問題集」とあえて付記したのは、目指す試験と同じようなレベル感・出題形式の問題をできるだけ多く解くことが有効だからです(ただし、過去問と同じ問題のみが繰り返し出題されるタイプの試験の場合は過去問のみに絞るべきです)。

 大学入試であれば、目指す大学の過去問(赤本)だけでなく、目指す大学と出題のタイプやレベル感が似ている他大学の赤本などの問題集も、できるだけ多く解きましょう。

 逆に、出題のタイプやレベル感がまったく異なる大学の赤本をやることにはあまり意味がありません。「やらなくてもいいことをやってしまう」ことにつながり、勉強の効率が悪くなるだけです。

 問題集の問題と解説を読んで自分の頭だけで理解できるのであれば、日々の勉強ではとにかく問題を解くことに注力するのが一番です。

 しかし、「解説を読んでもわからない」という場合には、追加の教材が必要です。それが「[2]その問題を解くにあたり、今の自分に足りない知識・スキルを身につけるための本」です。解説の内容を理解するためには、前もって教科書や用語集などで、理解の前提となる基本知識をおさえることが必須となる場合があります。それを身につける教材です。

 また、そもそも基本知識以前に、読解、語彙、論理的思考などのスキルが圧倒的に足りておらず、まずはそこを強化しないと先に進めない、もしくは勉強効率が著しく落ちるという場合があります。これを強化するための教材も「2.その問題を解くにあたり、今の自分に足りない知識・スキルを身につけるための本」に入ります。

 重要なのは、とにかく「1.目指す試験の過去問、あるいはそれに準じる内容の問題集」の勉強をいかに多くこなせるかです。足りない知識やスキルがある場合に、いかにそれを迅速かつ効果的に補強できる教材を選べるかの「選書力」が、得点力の肝になります。

「2.その問題を解くにあたり、今の自分に足りない知識・スキルを身につけるための本」の教材の選択では、「とにかく『足りないところを強化する』という目的が達成できればいい」「教科書や学参(小中高校生向けの学習参考書)カテゴリの本にこだわらない」という観点から選びましょう。

 教材を一冊に絞る必要はないですし、買った本は隅々まで読まずとも必要なところだけ使えばいいのです。たとえば複数の教材を、「教材Aはある単元の知識補強のためだけに使い、教材Bは重要ポイントの用語集としてだけ使う」というように「いいとこどり」的な使い方をすることも可能です。

 また、自分が求める知識やスキルが身につく内容でさえあれば、教科書や学参カテゴリの本に限定せず、ビジネス書や文庫本などにも思い切って選択肢を広げてみるべきです。

 最近はさまざまなジャンルで「マンガで学べる○○」といった本が出されていて、普通の教科書などより、よほど効果的に知識が身につく本もたくさんあります。使えそうなものは何でもどんどん使っていきましょう。

選書力の磨き方