FMV-BIBLO NW
富士通の新モデル「FMV-BIBLO NW」は、16型ワイド液晶を採用するAVノート。キーボード上のサブ液晶「タッチスクエア」が特徴だ。

 不況の中、パソコンは比較的健闘している商品の1つと言える。統計によっては、11月の売上げが対前年比でプラスになっているのだ。

 その理由はいくつか考えられるが、“ネットブック人気”が市場を牽引していることも間違いないだろう。

 ネットブックは、下落が続くパソコン市場の象徴的な製品と言えるだろう。1995年にインターネットブームが起こってから、テレビパソコンに至るまで、パソコン市場は、繰り返し盛り上がりを見せていた。その度に新製品が登場し、価格が持ち直していたのだ。

 ところが最近は、メーカー各社の消耗戦に突入した感があり、A4ノートの店頭モデルでさえ、10~12万円程度が当たり前になっている。この価格で、「Office 2007」が付いているのだから、相当安い。

 また、5万円のネットブックは、非常に安く感じるかもしれないが、実は直販メーカーなら、一般的なA4ノートも5万円台で買えるようになってきている。こんな状況では、国内PCメーカーは価格競争に勝てないだろう。徹底的に安売りする体制ができていないからだ。

 もちろん、手厚いサポート体制を敷くなど、国内メーカーならではの付加価値をプラスしている。だが、この不景気では、価格競争に巻き込まれて当然である。ユーザーはサポートより、「サイフから出て行く金額」を有難がるだろう。

 とはいえ、国内メーカーとて、価格競争に甘んじる気はない。価格が下落するいっぽうの現状を打破するために、来年の春~夏あたりに向けて、安売りではない付加価値のある勝負モデルを各社が打ち出してきそうだ。

 そんな状況下、今回取り上げる富士通の「FMV-BIBLO NW」シリーズは、新付加価値提案モデルの先陣と言えそうである。この新しいAVノートは、キーボードの上に2つめの液晶モニターが付いているのだ。つまり、上下両方にディスプレイとして機能する液晶を持っている。

 この手の発想は、これまでにも実に多くの人が思いついたことだろう。キーボードの代わりにタッパネルを利用して、上下両方とも液晶のノートを作ろうというアイデアを見たこともある。「Windows Vista」の標準機能にもサブ液晶が含まれているが、機能が限定され過ぎてヒットしなかったのだ。