辻本春弘氏/カプコン代表取締役社長COO辻本春弘(つじもと・はるひろ)/カプコン代表取締役社長COO
1964年、大阪府生まれ。大学在学中よりアルバイトとしてカプコンで働き始め、機器修理などの経験を積む。87年、同社入社、アミューズメント施設運営事業の立ち上げに参加し、97年、取締役に就任、06年、副社長執行役員、07年、創業者である父・辻本憲三氏から社長職を引き継ぐ Photo by Hirobumi Senbongi

浮き沈みが激しいゲーム業界で、6期連続で営業増益、2期連続で最高益更新を実現しているゲームメーカー、カプコンの辻本春弘社長に好調の秘訣などを聞きました。(聞き手/ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

――世界のゲーム市場は年間10%拡大しています。この成長は続きますか。

 ゲームはデジタル化しているエンターテイメントの中で最高峰のものと考えています。ところが、書籍や映画、音楽など他のエンタメの中でも普及率がまだまだ低い。

 これはデータ転送の制限や大容量メモリの必要性といったデバイスの問題があるからですが、次世代通信規格「5G」などによってそういった制約から解放されます。

 そして、新興国が豊かになり、可処分所得が高まると、カプコンが得意とするハイスペックなゲーム専用機で遊べる人が増えると期待しています。

――2007年の社長就任後、一番苦労されたことは何ですか。何を変えてきましたか。

 ゲーム開発の改革です。

 1つのゲームコンテンツを複数のゲーム機で遊べるようにする、マルチプラットフォーム戦略を推進しました。

 それと、これはグローバルで勝つために大事なことですが、属人的だったゲーム開発を改め、間断なくゲームを送り出せるようにしました。

 5年前に思い切ってゲーム開発の内製化に舵を切りました。外部に丸投げしていたこともあったのですが上手くいきませんでした。内部と外部にはクオリティに差があるし、外部に任せると失敗したときに(次に生かせる教訓などが)何も残らないからです。

 近年、新卒で毎年100~200人を採用し、社員を内部育成した結果、若い人の力が開花しました。

 それとデジタル化です。インターネットへの常時接続でゲーム業界にイノベーションが起きると考え、いち早く対応してきました。