これまで50の新規事業(企業内起業17回、独立起業19回、週末起業14回)に携わってきた守屋実さんの初の著書『新しい一歩を踏み出そう!』が5月15日にダイヤモンド社から発刊されました。守屋さんは、大学在学中から現在に至るまで、一貫して新しい事業だけをやり続けてきたという稀有なキャリアの持ち主。守屋さんの実績を表す一端といえるのが、創業に参画した2社が昨年上場したこと。2018年4月に介護業界に特化したマッチングプラットホームのブティックスを、5月に印刷・物流・広告のシェアリングプラットホームのラクスルを2社連続で上場に導く。本連載は、守屋さんのこれまでの様々な経験を踏まえ、主に若手ビジネスパーソンに向けて「仕事のプロ」になるための具体的な方法を伝授していきます。

週末のアルバイトやボランティアが、やりたいことにエンジンをかける

会社以外の空いた時間を使って、バイトやボランティアをしてみる

 新しい一歩は、何も会社の中の話だけではありません。

 好きなこと、やりたいことを探すために、会社以外の空いた時間を使って、バイトやボランティアをする、という手もあります。

 たとえば、私は、ある時期、毎週金曜日の夜、20時~24時の4時間だけ、東京・表参道の骨董通りにあるビルの地下でバーをやっていました。

 どうしてそんなことになったのかというと、キッカケは、次のようなことでした。

 たまたま、集まった仲間と近況報告などを、とめどなく話をしていたときに、

 「オレら、飲み会の幹事、やること多くない?」
 「毎回、ドタキャンするヤツ、遅刻してくるヤツ、先に帰っちゃうヤツとかいて、結局、お金足りなくて被ることない?」
 「ある、あるー!」
 「幹事でいろいろ動いて、結局被って、おかしくない?」
 「おかしい、おかしいー!」
 「じゃあ、思い切って、オレらで飲み会用のお店をやっちゃおうよ!」

 というやたら勢いのある、というか勢い余った展開で、そのまま本当に、お店をやることになったのです。

 それが、毎週、たった4時間しか営業してない、表参道のバーだったのです。

 そのお店は、一風変わった仕組みで、お店を切り盛りしてみました。

 20人以上の仲間それぞれに、そのお店の店長という肩書の名刺を渡したのです。そして、当番制で、その週にお店に入れる人に「1日店長」を務めてもらうことにしたのです。

 料金は一律、男性5000円、女性3000円をお店の入り口でいただき、あとはセルフサービスで好きにお酒を飲んでもらうスタイルにしました。

 特に、これといったサービスのないお店でしたが、1年余り、54回ほど続けた営業は、常に満員御礼でした。

 「都内の一等地で週末だけやっているバーのオーナー風」という設定が良かったようで、20人以上の店長のほとんど全員が、毎週、友だちを連れて「出勤」してくれたのです。

 お金は、店長からも一律同額でとっていたので、ほぼそれで黒字化が見えた、という仕組みでした。

 思った以上に盛況で儲かったので、また、もともと非営利で考えていたお店だったので、バーを一緒に運営していた仲間たちと話し合い、儲かったお金は、全額をフィリピンの小学校に寄付しようということになりました。