ファーウェイPhoto:Bloomberg/gettyimages

米政府が華為技術(ファーウェイ)への部品納入などを禁じた問題で、制裁レベルが引き上げられるとの見方が強まっている。これまで様子見を決め込んできた日本企業に、いよいよ海外戦略を再構築する決断の時が迫っている。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文、浅島亮子、竹田孝洋)

 ファーウェイを取るのか。それとも、米国を取るのか──。米国が、日本を含めた民間企業に中国・ファーウェイとの取引停止を迫る“踏み絵”とも取れる制裁措置を講じたのは、5月15日のこと。ファーウェイに部材を納入する日系メーカーは約100社、取引額は約7300億円に上ることから、日本でも動揺が広がっている。

 目下のところ、大方の日系メーカーは、ファーウェイら要注意の中国企業と取引を継続することで生じるメリット・デメリットを精査している段階にすぎない。

 だがすでに、この制裁が下る1カ月も前の4月に、ある日系メーカーの名が「米国懸念リスト」に登録されていた。それが、トヨタグループのアイシン精機の中国子会社、愛信(南通)汽車技術中心有限公司である。