日本の低生産性の真犯人はクレーマーだった!

店員に土下座を強要する、同僚に暴言を吐く、SNSに悪評を書き込む。そんなモンスタークレーマーが急増している。理不尽な要求を突き付けられ、精神的に参ってしまう人も少なくない。人手不足に悩む企業にとって、モンスタークレーマーは生産性を低下させる元凶だ。しつこいクレームを断ち切り、モンスターを撃退するための実践的技術を伝授しよう。

急増するモンスタークレーマー

「おたくで買ったタイヤチェーンのサイズが合わなくて装着できない。いまからすぐにスキー場まで代替品を持ってこい!」

 理不尽な要求だと分かってはいても、客のあまりのけんまくに屈し、カー用品店の店員はスキー場までチェーンを届けた。するととんでもない言葉が飛び出す。「チェーンが届くまでの時間が無駄になった。その時間料を払え」──。

 いま世の中には、このようなモンスター化したクレーマーが急増している。

 繊維、化学、流通、サービスなどの生活関連産業に従事する労働者によって組織されている労働組合、UAゼンセンが、2017~2018年に8万人余りの組合員を対象に行った「悪質クレーム対策アンケート調査」によると、実に7割強の組合員が「客からの迷惑行為に遭遇したことがある」と答えている。