M&A(企業の合併・買収)を成功裏に進める難しさについては、前回の「儲かる当てが外れると危なくなる会社ランキング【大企業編・全183社完全版】」で詳述した通りだ。

「事業を成長させたい、それによって株価を上げたい」という欲望にとらわれ、高値つかみの毒まんじゅうを食べてしまうケースは多い。実際、大企業で多額の減損損失を計上した日本郵政や野村ホールディングスといった具体例も紹介した。

 今回は中堅企業編として、総資産が300億円未満の会社を対象に同ランキングを作成した。最新となる2018年度の決算データから、無形固定資産÷自己資本を計算した。無形固定資産とは、のれんや特許権、商標権といった目に見えない資産のこと。中でもM&Aと関係が深いのれんは要注意だ。のれんは買収した企業の買収金額と純資産の差額で、買収に積極的な会社ほど金額が大きくなる性質がある。買収した企業の経営がうまくいかないと、のれんを費用計上しなければならず、多額の損失が出る恐れがある。自己資本に対して、多額の無形固定資産を計上している会社には注意しよう。