「企画プレゼンが通らない」「営業先の反応が弱い」「プレゼン資料の作成に時間がかかる…」など、プレゼンに関する悩みは尽きません。そんなビジネスパーソンの悩みに応えて、累計21万部を突破した『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』シリーズの最新刊『プレゼン資料のデザイン図鑑』が発売になりました。この連載では、同書のコンテンツを紹介しながら、著者・前田鎌利氏がソフトバンク在籍時に孫正義社長から何度も「一発OK」を勝ち取り、ソフトバンク、ヤフーをはじめ約600社に採用された「最強のプレゼン資料作成術」のエッセンスをお伝えします。

一流はなぜ、プレゼンのタイトルを13文字以内にするのか?

 早速ですが、この約20秒の動画をご覧ください(お急ぎの方は、この動画だけご覧いただいてもポイントを把握いただけます)。

 いかがでしょうか?

 改めて、ビフォー・スライドを見てみましょう。

一流はなぜ、プレゼンのタイトルを13文字以内にするのか?

 これは、「NEZUファブリック」という企業向けに「オンライン集客・ホームページSEO改善対策」を提案するプレゼンの表紙です。しかし、パッと見た瞬間に「これからどういうプレゼンが始まるのか?」が伝わりにくいスライドになっています。

 最大の問題は文字量が多すぎることです。

 そもそも、このスライドでは、「NEZUファブリック」という社名とタイトルがひとかたまりになっているのが問題。文字がぐちゃっとかたまりになっていると、読む気にもならないのではないでしょうか?

 そこで、まず、次のように「NEZUファブリック」の社名を左上に移動します。

一流はなぜ、プレゼンのタイトルを13文字以内にするのか?

 次に、タイトルの文字量を減らします。

 プレゼン資料は「読ませるもの」ではなく、「見せるもの」です。人間が瞬間的に文字と意味を同時に把握できる文字数は13文字が上限と言われていますから、長々と文章を書くのはNG。不要な言葉を刈り込んで、タイトルはできるだけ13文字以内にするようにしてください。ただし、どうしても短くできないこともありますから、その場合には、次のスライドのように、改行して行ごとに13文字以内にするといいでしょう(タイトルは左右中央に配置)。

一流はなぜ、プレゼンのタイトルを13文字以内にするのか?

 さらに、このスライドで最も伝えたいのはタイトルですから、フォントを大きくします。

一流はなぜ、プレゼンのタイトルを13文字以内にするのか?

 これで、格段に伝わりやすい表紙スライドになりました。なお、プレゼン資料を適切に管理するためにも、表紙には提案年月日を必ず表記するようにしてください。また、プレゼン相手に自社のロゴを印象付けるために、表紙スライドには自社ロゴも添えておくことをおすすめします。

一流はなぜ、プレゼンのタイトルを13文字以内にするのか?

 これで完成です。表紙を見ただけで「これからこの話が始まるんだとわかってもらえる表紙になりました。表紙はプレゼンの「看板」ですから、これを見た瞬間にネガティブな感情を呼び起こしたら、そのあとどんなに一生懸命プレゼンをしても挽回するのは難しいものです。ぜひ、一瞬で伝わる表紙をつくるように心がけてください。

一流はなぜ、プレゼンのタイトルを13文字以内にするのか?
前田鎌利(まえだ・かまり)
1973年福井県生まれ。東京学芸大学卒業後、光通信に就職。「飛び込み営業」の経験を積む。2000年にジェイフォンに転職して以降、ボーダフォン、ソフトバンクモバイル株式会社(現ソフトバンク株式会社)と17年にわたり移動体通信事業に従事。営業プレゼンはもちろん、代理店向け営業方針説明会、経営戦略部門において中長期計画の策定、渉外部門にて意見書の作成など幅広く担当する。
2010年にソフトバンクグループの後継者育成機関であるソフトバンクアカデミア第1期生に選考され、事業プレゼンで第1位を獲得。孫正義社長に直接プレゼンして数多くの事業提案を承認されたほか、孫社長が行うプレゼン資料の作成も多数担当した。ソフトバンク子会社の社外取締役や、ソフトバンク社内認定講師(プレゼンテーション)として活躍したのち、2013年12月にソフトバンクを退社。独立後、『社内プレゼンの資料作成術』『社外プレゼンの資料作成術』『プレゼン資料のデザイン図鑑』(ダイヤモンド社)を刊行して、ビジネス・プレゼンの定番書としてベストセラーとなる。
ソフトバンク、ヤフーをはじめとする通信各社、株式会社ベネッセコーポレーションなどの教育関係企業・団体のほか、鉄道事業社、総合商社、自動車メーカー、飲料メーカー、医療研究・開発・製造会社など、多方面にわたり年間200社を超える企業においてプレゼン研修・講演、資料作成、コンサルティングなどを行う。