東京都の電柱Photo:PIXTA

東京電力が開発
簡単な基礎工事で済む

 日本は電柱大国である。日本の首都である東京で、23区内の電線類地中化率は8%。率としてはこれが最高で、日本全体では2%以下だ。パリ、ロンドン、フランクフルトなど欧州の大都市は軒並み完全地中化されており、米国でもニューヨークやロサンゼルスは80%以上の地中化率だ。日本でも無電柱化の推進に関する法律が3年前に制定され、11月10日を無電柱化の日に定めた。電柱地中化は国策となったが、なかなか進んでいない。

 その一方で、電柱をインフラとして活用しようという検討が各方面で始まっている。ひとつはBEV(バッテリー充電式電気自動車)のための急速充電設備を電柱に設置しようというアイデアだ。東京電力は、電柱の真下の地面を掘らずに直接電柱に充電設備を備え付ける方式を開発し、特許を取得した。市街地など急速充電需要が見込め、路上駐車枠の確保ができる場所の電柱にこの急速充電器設備を設置することを検討している。

 急速充電設備は高電圧に対応した電線を使うため、通常はその電線を地中に埋め込む工事と、急速充電設備を水平に設置できるよう地面を掘る基礎工事を行う必要がある。そのため、急速充電設備設置コストの半分は基礎工事など土木作業関連が占める。東京電力が開発した電柱抱き合わせシステムは簡単な基礎工事で済み、電流は電柱上の変圧器(トランス)から電線に沿って充電設備に導く。1基当たりの設置費用は150万円程度と、コスト面で効率がいい。