第13回に続き、「あなたの夢は、なんですか?」の(下)をお届けする。この数年、海外を旅し、祖国を外から見ると、日本人は海外の人々と比べて暗い表情をしていると、私には感じられた。「夢」について聞いたのは、暗さの原因は、人生にとって大切な「夢」を忘れているのではないかと思ったからだ。新橋の夜、日を改めて敢行した原宿、表参道、外苑前で直接お話を伺った。実際にインタビューした際の動画も第13回でお届けした前編に続き、後編をお届けする。

照れながらも夢を語る17歳

「夢はなんですか?」<br />街頭取材で感じた日本の空気感(下)ミュージシャンになる夢を話してくれた高校生。今、欲しいものは夢を叶えるためのギターだという

「あなたの夢は、なんですか――?」

 夜10時過ぎの新橋、昼の原宿、表参道、外苑前で、街行く人々にこう問いかけた。

 私はここ数年で、世界のあらゆる場所に足を運んだ。旅を通して感じたのは、海外で知り合った人々と比べて、日本人は暗い表情をしていると感じていたからだ。夢は、人生を明るく、前向きに生きるためにもっとも重要なものだと私は思っている。もしかしたら、日本の人々が暗い表情をしているのは、「夢」を忘れているのではないだろうかと思ったのだ。

 原宿で、街頭インタビューに挑んだ。丁寧に一礼し、「夢」について伺った。

 最もストレートに答えを返してくれたのは、17歳の少年だった。都内の高校に通う彼は、「何か夢はありますか?」と聞くと、まっすぐな瞳で「ミュージシャン」とだけ返してきた。

「いつかデビューできるように、今から努力したい。両親も支持してくれている」

 尖がった見かけとは違って、少しシャイな口調で思いをシェアしてくれた。

 台湾で長くビジネスをしてきたという方にも出会った。

「将来的には台湾のお茶を輸入して、より多くの日本人にそのおいしさを味わってもらいたい」

 そう教えてくれた。私たちは力強く握手をして別れた。