デジタル活用でより手厚い 接客が可能になるPhoto by Toshiaki Usami

人手不足が大きな課題となっているコンビニエンスストア。ローソンの竹増貞信社長は、将来、電子タグ(RFID)の実用化が進めば、従業員の負担を大きく減らし、温かみのある接客により多くの時間を割けると話す。ローソンが描く、デジタル技術を活用した将来のコンビニの在り方を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

――以前に「2025年のコンビニ」のイメージを講演でお話しになっていますね。デジタル技術を駆使したコンビニの将来像について、詳しく教えてください。

 25年にはコンビニの店舗や物流の過程で、電子タグ(RFID)が導入済みであるという前提でお話をしました。

 RFIDが利用できれば、商品ごとの価格が記録されていますので、お客さまがカウンターに商品を置くだけで合計金額が分かるなど、レジ業務は現在とは劇的に変わります。

 食品の販売期間も電子タグに記録されているので、店舗の従業員がいちいち商品の裏の表示を見て確認する必要がなくなります。価格も、売れ行きに応じて、店頭に並べたまま変更できます。加盟店側のオペレーションの負担も、お客さまの手間も、大きく軽減することができます。

 かといって、従業員とお客さまとの、フェーストゥフェースのコミュニケーションが不要になるというわけではありません。もっとも都心のオフィスにあるような、多忙なビジネスパーソンが利用する店舗では、いかにスムーズに買い物をしていただけるかが重要ですので、無人店舗でもいいでしょう。

 一方で、25年には「団塊の世代」の人々が75歳を超えています。こうしたお客さまが多く来られる店舗では、従業員が話し相手になるなどして優しく買い物をサポートすることが求められます。オペレーション業務を効率化できるからこそ、手厚い接客が求められる店舗で、それが可能となります。