第3のビール21種「アエラ独断ガチランキングトップ10」 ブラインド試飲で採点した結果は酒販店などでよく見る21種の第3のビールを飲み比べ。今はビール類の棚で最も種類が多いのは第3のビールという店がほとんど (撮影/写真部・張溢文)

 酒税法の改正で値上がりが見込まれる庶民の味方、第3のビール。各メーカーではビールに投資を集中させる傾向も見られるが、第3のビールの「安さ」という強みを奪われることへの対策も考えなくてはならない。AERA編集部の14人で第3のビールブラインド試飲会を行なってみると、人気ランキングは意外な結果に……。

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 酒税法改正が発表されてからの各メーカーは、ビールに広告や商品開発などの投資を集中させる傾向がみられた。第3のビールが安さという最大の強みを奪われる一方、本家ビールは実質的な値下げとなるためだ。

 第3のビール、風前の灯火か──。そう思われた18年、キリンビールが放った新製品が業界の流れを変えた。手間をかけた製法で「ビールらしさを突き詰めた」という「本麒麟」だ。商品にメーカー名を冠し、パッケージはコーポレートカラーの赤。安さよりも、本格感を強く打ち出している。キリンビール広報部は狙いをこう説明する。

「ブランドの淘汰は起こるとしても、現在、発泡酒や新ジャンルにカテゴリー分けされている商品がゼロになるわけではないでしょう。酒税は統一されても、実際の価格に差が出る可能性はあります。そこで26年以降も生き残れるブランドを作ろうと生まれたのが、本麒麟でした」

 本麒麟は同社が発売したビール類の新商品のなかでも「ここ10年のナンバーワン」と言えるほどのメガヒットに。人気が失速することの多い2年目の今年も売り上げを伸ばし、19年の販売目標を、前年比約7割増しの1580万ケースに上方修正するほどの好調ぶりとなった。

 このヒットを受けて、他社も今年になって「極上<キレ味>」(アサヒビール)、「金麦<ゴールド・ラガー>」(サントリービール)など、ビールらしさを追求する第3のビールの新商品を次々発売し、ヒット。サッポロビールも8月に「麦とホップ」を、よりビールに近い味わいにリニューアルする。