“歴史問題の政争”に貿易を巻き込んだ対韓輸出規制という「愚策」(仮)Photo:123RF

 韓国政府が22日、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定し、徴用工判決や慰安婦問題を機にした日韓対立は、通商分野に続いて安全保障上の協力にも波及した。

 日韓関係が泥沼化しているのは、双方ともに国内の支持率を意識して対外強硬姿勢を続ける政権の思惑が色濃く、現実的な解決策を探ることができなくなっていることがある。

 安倍晋三政権の対韓輸出規制も、政治の思惑を色濃く反映している。

変質した通商政策
経済的利益失う恐れ

 戦後の自民党政権は、積極的か消極的かにかかわらず、長く憲法9条による平和主義と自由貿易主義を前提とした通商政策をとってきた。少なくとも政治と経済は分離する姿勢を保っていた。

 だが、「対韓輸出規制」を境に通商政策は変質したといわざるをえない。