「英語が全然話せない」「皆の会話に入れない」「会議で一言も発言できない」。ネイティブを前にしたとたん、「英語が通じない」と悩む日本人は多くいます。一方で、日本人と同じく、英語でハンディがあるはずの非ネイティブは、うまくやっています。なんと、ビジネス英語には、非ネイティブが身につけるべき「絶対ルール」が存在したのです。
1年2ヵ月売上ゼロで窮地に追い込まれた著者が、今ではネイティブを部下に持ち、15か国以上の外国人プロフェッショナルをマネージするきっかけとなった、非ネイティブが実践しているテクニックを『非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』にまとめました。学生時代に学んだ単語でじゅうぶん。使えるフレーズを多用し、ポジティブで丁寧な言い回しを意識すれば、英語での会話は怖くありません。「こんなとき、なんて言えば?」があっという間になくなるキーフレーズを中心に紹介します。

「problem」では敬遠される。
問題を抱えているときは「challenge」を使う

 ビジネス英語では「どんなときでもポジティブ」が基本なので、逆境にあっても、前向きに解決する姿勢が大切です。逆境時に非ネイティブが使う言葉が「challenge」です。

「challenge」は「何かに挑戦する」との意味と思われがちですが、日本語の「チャレンジ」を英訳するならば「try」が妥当です。「challenge」には「勝負を挑む」のほかに、「異議を申し立てる」という意味もあります。たとえば、「He challenged the decision of the court.」(彼は裁判所の決定に異議を申し立てた)というフレーズに見られるように、日本語でいう「~にチャレンジする」の意味に当てはまらないケースがあります。

 もちろん、日本語的な「チャレンジ」の意味合いで英語の「challenge」を使うときもありますが、日本語の「チャレンジ」と少しニュアンスが変わります。日本語の「チャレンジ」は、達成できてもできなくてもそこは問題ではなく、とにかく挑戦することを「チャレンジ」としています。ただ挑戦することを言いたいなら、前述したように「try」を使います。

 英語の「challenge」は「努力すれば乗り越えられる課題」のことです。達成できない目標は含んでいません。こうした意味があるので、非ネイティブは、壁にぶつかったときに「challenge」を使うことで、「I’m facing a big challenge.」(大きな課題に直面しています)、「I like facing challenges.」(挑戦しがいのある課題に取り組むのが好きです)といったふうに、「挑戦して乗り越えることで、自己の成長や新しい成果を生み出す」と前向きなイメージを打ち出しているのです。

「I have a big problem.」とは言わない

 ちなみに、「課題」や「大きな問題」として「problem」を使う人もいますが、「problem」は「解決が難しい大問題」の意味になるので、ネイティブがめったに使うことはありません。

「I have a big problem.」(大きな問題を抱えている)などと言ってしまうと、聞いた人に、かなり大きな問題を抱えていると受け取られ、非常にネガティブな印象を与えます。この言葉を使い続けると嫌な顔をされます。それほどネイティブには敬遠されています。

「problem」をネイティブが敬遠する理由

 非ネイティブも英語圏ではポジティブに振る舞うことをモットーとしているので、本当に深刻な大問題以外では、ネガティブ要素が強すぎる「problem」は使いません。ビジネスでは、課題や問題が発生するのは日常茶飯事です。非ネイティブのようにあえて「challenge」を使い、自分の気持ちも新しい挑戦に向けて奮い立たせて、日々発生する問題に前向きに挑戦し解決していきましょう。