アジアは「牙城」、農機メジャーの市場を奪いにいくPhoto by Hiroki Kondo/REAL

世界の農家に農業機械などを提供し、2桁の営業利益を実現してきたのがクボタだ。成長の原動力は「グローバル化」と「デジタル化」だという。同社の木股昌俊社長に成長に向けた課題を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

――農業機械などのハードウエアにとどまらず、ITを活用したスマート農業でも他社をリードしています。

 成長の原動力は「グローバル化」と「デジタル化」です。農業のデジタル化というと「何?」という反応もありますが、自動運転や、農地ごとの生産データを解析して翌年の農作業に生かすデータ農業ができるようになりました。これからドローンによる肥料や農薬の散布も普及します。

 そういった新技術をドメスティックではなく、グローバルに展開してきた。クボタは来年創業130年を迎えますが、会社が続いてきたのは、最先端のテクノロジーを世界に普及させてきたからだと思います。テクノロジーで社会に貢献する製品やサービスを生み出し、「クボタがあって良かった」と言ってもらえるようにやってきました。

――グローバル化とデジタル化が成長のドライバーということは、これから成長がさらに加速しますか。

 もっとスピードを上げていきたい。日本とよく似た東南アジア、インド、中国あたりの市場はクボタの「牙城」です。そして、グローバルで(攻める)重点市場は、やっぱり農機メジャー(ジョン・ディアのブランド名で知られる米ディア・アンド・カンパニーなど)が得意としている地域(北米など)です。

 農業クラウドサービス「KSAS(ケーサス)」、(自動運転も含む)ロボット農機、インプルメント(農業トラクターが引っ張る作業機)という3分野全体でさらに技術力を高めます。それらがお客さまの生産性、品質の向上につながるソリューションであれば、クボタの事業も伸びていくでしょう。