アドバイス相手に「安心感」を与える伝え方とは? Photo:PIXTA

部下、後輩、同僚とうまくいかない…。職場の人間関係に悩みを抱えるビジネスパーソンは少なくない。しかしその課題は、コミュニケーションを工夫するだけ改善するかもしれない。今回は、心理学・脳科学に裏付けされた「科学的に人の心を動かす」伝え方をわかりやすく解説、発売1ヵ月で5万部を突破した『神トーーク 「伝え方しだい」で人生は思い通り』(KADOKAWA)から、部下への正しいアドバイスの例を紹介します。

相手の行動における「背景と理由」を理解する

 こちら側の話も聞かないで、頭から否定してきたり、一方的に怒る人っていますよね。それらの行為が、人望など得ることができない最悪のパターンだということを、あなたはもう理解できているはずです。

 そこで、人の心を動かすうえで理解しておかなければならないことがあります。それは、普通だったら理由も聞かずに否定をしたり、怒ってしまうことでも、「なぜ、相手がそうしたのか理由を聞く」ことです。

 たとえ、一般常識では“間違い”とされていることであっても、あなた自身が“ありえない!”と思うことであっても、否定されて当然と思われることであっても、まずは相手が「なぜそういうことをしたのか」という「理由」「背景」を理解しようとする姿勢を見せることで、相手はあなたに「安心感」を覚え、相手の態度は大きく変わります。

「人の心を動かす」力を身につけたいのならば、「人はどんなによくないこと、間違っていることでも、人それぞれその発言、行動に至ったその人なりの理由がある」ということを理解しましょう。そうすることで、「自分とは違う意見の人でさえ動かしてしまうチカラ」を手に入れることができるのです。

 では、その方法とは? 具体例で解説していきましょう。

 たとえば、仕事で重要な会議があったとします。