コロナ禍で在宅勤務が増えたこともあり、運動不足に陥っている人が増えている。ふと、自分のお腹まわりを見るとポッコリ。内臓脂肪が溜まったお腹が、運動不足を物語っている人も多いだろう。筋肉の衰えは、すぐにやってくる。それが脳の衰えにもつながり、知らない間にカラダ全体のパフォーマンスが低下し、気がついたときには生活習慣病予備軍に。なんとなく大丈夫だと思っているかもしれないが、フレイル(虚弱化)や移動機能が低下するロコモティブシンドローム(運動器症候群)の兆候が、若くしてすでに始まっているかもしれない。
「以前より疲れやすくなった」「15分以上はつらくて歩けない」「信号が変わりそうになって走るとすぐに息が上がる」「息が一度上がるとなかなか回復しない」「階段は休み休みでないと上がれない」――そんな体力の衰えを感じるようになったあなたに向けて、『10年後、後悔しない体のつくり方』の著者・中野ジェームズ修一氏が、筋肉も脳も若返る方法を伝授する。
著者は、青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化を指導し、箱根駅伝連覇に導いた運動指導のプロフェッショナル。オリンピック代表選手などのトップアスリートから一般のビジネスパーソンや主婦まで、圧倒的な信頼と支持を得ている。「運動すればいいのは、もちろんわかっている」「でも、それができない、続かない……」。そんな運動が苦手な人、運動が嫌いな人、そして中高年はもちろん高齢者でも、「これならできそう」「続けられそう」と思えて、なおかつ、きちんと効果があり、何歳からでもカラダが若返る秘訣を徹底指南する!(こちらは2019年10月10日付け記事を再掲載したものです)

【コロナ禍で「おうち時間」が増えた人、必読!】<br />すべての人は<br />運動しなければ生きられない<br />世の中になるPhoto: Adobe Stock

近未来の海外ドラマで
必ず描かれていること

【コロナ禍で「おうち時間」が増えた人、必読!】<br />すべての人は<br />運動しなければ生きられない<br />世の中になる中野ジェームズ修一
スポーツモチベーションCLUB100最高技術責任者 PTI認定プロフェッショナルフィジカルトレーナー 米国スポーツ医学会認定運動生理学士(ACSM/EP-C)
フィジカルを強化することで競技力向上や怪我予防、ロコモ・生活習慣病対策などを実現する「フィジカルトレーナー」の第一人者。卓球の福原愛選手やバドミントンのフジカキペアなど、多くのアスリートから絶大な支持を得る。2014年からは青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化指導も担当。早くからモチベーションの大切さに着目し、日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナーとしても活躍。東京・神楽坂の会員制パーソナルトレーニング施設「CLUB100」の最高技術責任者を務める。『世界一伸びるストレッチ』(サンマーク出版)、『青トレ 青学駅伝チームのコアトレーニング&ストレッチ』(徳間書店)、『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP)などベストセラー多数。

 突然ですが、すべての人は今後、運動しなければ生きられない世の中になります。

 先日会った旧知のライターさんが、丸1日、自宅から一歩も出ないで仕事をしたときの「歩数」を測定してみたそうです。
 その結果は驚くべきものでした。

 なんと、わずか1日280歩しかなかったそうなのです。

 でも、考えてみたら、これは当然の話です。
 わざわざ買い物に出かけなくても、スマホ片手に欲しい商品をネット通販で注文すれば、宅配業者が自宅まで運んできてくれます。
 暇になったらネット配信のドラマや映画を観ればいいですし、ひとりでいるのが寂しくなったらスマホで誰かとビデオ通話すればいい。

 そんな極力移動をしなくても生活できる社会環境で、私たちは生きているのです。

 私もネットフリックスの動画配信で、海外ドラマや映画をよく観ることがあります。
 近頃よく観るのは、数十年先を舞台にしたドラマですが、その設定で共通しているのが、「仕事」「買い物」「教育」「娯楽」といった日常生活が、すべて自宅にいながら完結してしまうということです。

 仕事は在宅勤務、買い物はネット通販、講習などを受けるときは自宅にモノグラフで講師が現れて目の前で指導。
 コンサートは部屋の壁や天井が全面モニターと化して、臨場感あふれる映像と音響で、憧れのアーティストが目の前で歌ってくれます。

 こうした生活風景はSFの世界ではなく、そう遠くない将来、実現することでしょう。

 仕事でもプライベートでも、いまよりさらに体を動かさなくても生活できる世の中が、確実に近づいているのです。