年齢を重ねるほど、体の節々に不調が出てくるもの。とくに実生活に大きく影響を及ぼすのは“ひざの不調”ではないだろうか。ひざの痛みや違和感を放置すると、ひざの骨が変形してしまう関節疾患の発症や認知症を招くなど、さまざまなリスクが高まるという。(清談社 真島加代)

40〜50代から異変が!
ひざの「音」に注目せよ

加齢とともに現れるひざの痛み放置すれば人工関節手術が必要になることも。しかし、日常生活における少しのケアで、ひざの状態は大きく変わる Photo:PIXTA

「ひざが痛むので、歩くのが億劫」…そう嘆く高齢者は多い。そのため、ひざの痛みは高齢者特有の不調だと思われがちだが、2018年にゼライスが実施した調査【*】では、40代男性の約90%がひざに違和感があると回答。

「とくに中高年層は、ひざの違和感や痛みが慢性化すると放置してしまいがちです。しかし、ひざからのサイン見逃すと加齢とともに『変形性膝関節症』や『変形性膝関節炎』などの関節疾患を招きます」

 そう話すのは、関町病院で院長を務める整形外科医師・丸山公氏だ。40~50代であっても“ひざの痛み・違和感”を覚える中高年はとても多いという。

「『変形性膝関節症』とは、加齢によってひざの軟骨の水分が減り、軟骨同士がぶつかり合って削られ、関節が変形して可動域が制限される関節疾患です。激しい痛みも伴います。変形性膝関節症は、ひざの痛みだけでなく高齢者が抱える骨粗しょう症や認知症、加齢に伴い筋力が下がる『サルコペニア』と関連性が高いといわれています」

 丸山氏はひざの軟骨のすり減り具合を知るためにも、まずは「ひざの音」を聞いてほしい、と指摘する。

【*】…「ゼライス ひざの痛み・音に関する調査」/対象:40~70代の男女/期間:2018年11月