「肩甲骨はがし」 肩こりに悩まされている人に試してほしい「肩甲骨はがし」 Photo:PIXTA

 現代人を悩ませる肩こり。つらい症状を何とかしようと解消グッズを試してみたり、マッサージを受けてみたり……それでもなかなか改善されず、“肩こり難民”に陥っている人もいるのではないだろうか。そんな肩こり難民を救う方法として注目されているのが、背中の肩甲骨まわりの筋肉をほぐすストレッチ「肩甲骨はがし」だ。

 国民病ともいえる肩こり。厚生労働省「国民生活基礎調査(平成28年)」によると、肩こりは日本人の抱える自覚症状の男性の2位、女性の1位を占めた(ちなみに男性の1位は腰痛)。

 外来で肩こりを訴える患者を診る東京医科大学整形外科准教授の遠藤健司さんも、かつては肩こりに悩まされた一人だった。

「学生時代や研修医のときはとくにつらくて、肩こりに効くというビタミン剤ばかり飲んでいました」

 自身の体験と、診療経験から編み出されたのが、肩甲骨まわりを動かす「肩甲骨はがし」。肩甲骨に張り付いている筋肉をはがすようなイメージで行うストレッチだ。

 肩がこると、つい首や肩をグルグル回してしまうが、実はこうした動きでは肩こりはまったく解消できない。なぜなら、効かせたい場所が根本的に違うからだ。

「肩こりの正体は、肩関節のこりではなく、肩甲骨を動かす僧帽筋と、首を支える肩甲挙筋、菱形(りょうけい)筋の緊張と拘縮(こうしゅく)による痛みやこわばりです。拘縮とは硬く動かしにくくなった状態のこと。肩甲骨はがしはそれらの筋肉にアプローチすることで緊張や拘縮をとっていきます」(遠藤さん)

 ストレッチを始める前に、次のセルフチェックで肩甲骨の可動域を確かめてみよう。