「もうマンションを買ってもいいかな。でも損はしたくないし、ローンも怖い」。
そんなあなたが買うべきは、「60m²前後」×「駅徒歩7分以内」×「2001年以降完成」のマンションしかありません。

本連載の書き手は、「不動産ひと筋30年! 12000人と面談し、成約件数は6000件以上」という圧倒的なキャリアを持つ後藤一仁氏。不動産仲介会社の“現役”社長です。「不動産を通じて、1人でも多くの人に幸せになってほしい」という願いが込められた『マンションを買うなら60m²にしなさい』の著者でもあります。「損をしない、戦略的なマンション選び」を語ってもらいます。

マンションを買うときはハザードマップの「内水」に注意!Photo: Adobe Stock

「知らなかった!」ではすまされない!

 ハザードマップとは、大雨や地震などの災害が起きたとき、各地域にどれくらいの被害が及ぶのかの予測を確認できる地図です。

 本日は必ず確認いただきたい、浸水被害などを予想した「洪水(外水)ハザードマップ」と「内水ハザードマップ」についてお話しします。

「洪水ハザードマップ」は、大雨によって河川等が増水し水があふれた場合の浸水予想区域、浸水深等を示したものです。一方「内水ハザードマップ」は、下水の排水能力を超えた浸水(内水)の被害を想定したものです。洪水ハザードマップと内水ハザードマップが同時に表示されたものもあります。

 水害によるハザードマップの名称は統一されていません。作成する各市区町村によって「洪水ハザードマップ」「浸水ハザードマップ」「水害ハザードマップ」「洪水・内水ハザードマップ」などとさまざまです。「洪水ハザードマップ」という名称でも、洪水ハザードマップと内水ハザードマップが同時に表示されたものもあります。

 大雨により川が増水し、あふれ出てくる水(外水)は意識している方も多いでしょう。盲点となっているのは内水です。川から遠く、池や沼を埋め立てた場所でないなら、「まさかこの場所は浸水しないだろう」と思うかもしれません。

 しかし、集中豪雨などにより下水の排水能力を超えた水が、突如、道路などから地上へあふれ出てきて、浸水する可能性があるのです。

 洪水(外水)ハザードマップだけを確認して、自分の検討している場所は大丈夫だと思ってはいけません。内水も表示されたハザードマップでは、浸水予想の区域に入っていることもありますので注意が必要です。東京都文京区の例をご紹介します。