「英語が全然話せない」「皆の会話に入れない」「会議で一言も発言できない」。ネイティブを前にしたとたん、「英語が通じない」と悩む日本人は多くいます。一方で、日本人と同じく、英語でハンディがあるはずの非ネイティブは、うまくやっています。なんと、ビジネス英語には、非ネイティブが身につけるべき「絶対ルール」が存在したのです。
1年2ヵ月売上ゼロで窮地に追い込まれた著者が、今ではネイティブを部下に持ち、15ヵ国以上の外国人プロフェッショナルをマネージするきっかけとなった、非ネイティブが実践しているテクニックを『ビジネス現場で即効で使える非ネイティブエリート最強英語フレーズ550』にまとめました。学生時代に学んだ単語でじゅうぶん。使えるフレーズを多用し、ポジティブで丁寧な言い回しを意識すれば、英語での会話は怖くありません。「こんなとき、なんて言えば?」があっという間になくなるキーフレーズを中心に紹介します。

英語では高いレベルの内容を、
長文ではなく「短文」で話す

 英語で自分の考えを表現するうえで常に重要だとされるのが、「High Contents, Simple, Short and Slow」です。意味は、「高いレベルの内容を語りながらも、簡単な言葉で、短文で、ゆっくり話す」ことです。

 海外で働くなかで上司やメンターにアドバイスされ、その効果を実感したのは、英語を短文で話すことでした。長い文で話したほうが知的な印象を与えると私は信じてきたのですが、それは大きな間違いでした。

 実際に自信があるような響きを与えて、自分の考えをしっかりと伝えてくれるのは、短文だったのです。一方、長文は洗練された印象を損ねることさえあるのです。

 特に英語圏で活躍するシニア・リーダーたちに、長い文章で散漫な質問をすると、自分の貴重な時間を奪う、仕事ができないやつとのレッテルを貼られかねません。私が今の上司にアドバイスされたのが、質問する前に自分の頭の中で何度も下書きをして、重複する文章は消し、必要最小限の質問だけを投げかけることでした。

 必要最小限に絞った高いレベルの内容の質問を、簡単な言葉で、短文で、ゆっくり話して確認することで、結果として信頼を勝ち取りながら納得のいく回答を得られました。

 私のインド人上司は、社会人になるまでインドから出たことがなく、インド人以外と話す機会もなかった人ですが、今では全世界の責任者として働いています。非ネイティブでありながら全世界でリーダーシップを発揮するキャリアを勝ち取ってきた人だからこその心強いアドバイスでした。

 日本では「英語の作文で長文が書ける=英語がうまい」と評価されがちなので、英語が上手な人ほど頑張って長い文章を使う傾向にあります。

 しかし、外国人からすると長文は意思疎通のミスを誘いがちです。私たち非ネイティブは、英語というハンディから生じやすいコミュニケーションミスのリスクを少しでも減らしたいところです。ムダにリスクを取るより、短文で的確に、言いたいことを伝えていきましょう。