アップル決算1世代前の機種と比べて価格を下げたiPhone11。販売不振から脱却できるか Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

iPhone一本足打法脱却の兆し――。通期では減収減益となった米アップルの2019年9月期決算。iPhoneの販売不振が主な要因だが、救世主となっているのが好調のサービス事業だ。定期的な収入が得られる有料アカウント数は4.5億件に達し、売上高は462億ドルとiPhoneに次ぐ第2の柱として着実に育っている。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)

iPhoneの売上高減もサービス事業の成長で
19年第4四半期の売上高は過去最高

「7~9月の四半期で、アップル史上最高の収益だった」――。

 10月30日(現地時間)に発表された米アップルの2019年9月期決算。電話会議で決算を説明するティム・クックCEO(最高経営責任者)の声は、心なしか弾んでいた。無理もない。アップルにとって長年の課題だった、“iPhone一本足打法”からの脱却の兆しが見えてきたからだ。

 19年9月期の通期の売上高は前年同期比2.1%減の2601億ドル。純利益も同7.2%減の552億ドルと、減収減益だった。その原因は、売上高の7割近くを占めるiPhoneの販売不振だ。