パナソニック中間決算「スケジュールの問題」(梅田博和・パナソニック取締役常務執行役員CFO〈最高財務責任者〉)で、10月31日のパナソニックの2020年3月期上半期の決算説明会は、急きょ津賀一宏社長不在のまま行われた Photo:Diamond

2019年3月期の通期決算が散々な結果に終わり、業績浮上を強く誓うパナソニック上層部だが、結果がなかなか伴わない。背景には、悩み深き内憂外患がある。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)

 二つの特需があっても
減収という危機

 2019年3月期の通期決算で全ての事業セグメントの営業利益が減益に陥り、社内に緊急警報が鳴り響いていたパナソニック。しかし業績が上向くことはなく、今期に入ってもなお、成長軌道には乗れずにいるようだ。

 20年3月期の上半期(4〜9月期)決算は、売上高ですら前年同期比4.1%減に沈んでしまった。実は、第2四半期(7~9月期)はパナソニックにとって、Windows7のサポート終了に伴うパソコンの買い替え需要と、消費増税前の家電製品の駆け込み需要という二つの特需があった。にもかかわらず、為替影響分の495億円を差し引いてやっと、わずか33億円の増益に転じるレベルであり、第1四半期(4〜6月期)に続いてパッとしない。