富士山「奥庭」と「御庭」は、山梨県側の4合目から5合目、標高2400メートル付近にあります。スバルラインを挟んで、下流側(麓側)にある「奥庭」はまるで自然が作り出した庭園。富士山の厳しい気候のために低木化し、強風のために幹が折れ曲がったまま育ったカラマツが多く群生しています。

 特に秋にはこのカラマツが黄金色に紅葉する素晴らしい風景を見ることができます。この場所のあまりの美しさから、天狗(てんぐ)の遊び場になったとの言い伝えがあり「天狗の庭」とも呼ばれます。

 上流側の「御庭」は森林限界地帯です。昔、富士山の修験者たちが修行をした「御中道」が横切っています。そしてその先には初冠雪の富士山頂を望むことができます。

 奥庭と御庭は、駐車場や富士スバルライン5合目からの散策道も整備されており、高低差が少ないのでお子様やご高齢の方でも無理なく楽しめるハイキングコース。富士山ならではの草木や溶岩石の道、雄大な富士山頂の絶景をゆっくりと堪能できるオススメのコースです。

(撮影・文/クレセントエルデザイン)