日経平均の上値余地は限定的<br />政治が冷やす投資家マインド

 2010年の相場展望では、ファンダメンタルズ以外に、政治ファクターがきわめて重要となろう。

 通常であれば、政治の株式相場へ与える影響は限定的だ。ところが、政権交代や大規模な政策転換があった場合には、相場に大きなインパクトを与えた事実がある。

 典型的なのは、八党・会派による政権交代が実現した1993年の細川政権、構造改革路線を打ち出した01年の小泉政権である。この2つの政権成立時には、まず歓迎相場があった。

 閉塞感の強い状況が打破されるとの期待感から、日経平均株価は上昇した。しかし、やがて理想と現実の相克に直面して次第に支持率は下降カーブを描き、それと連動するかたちで株価も下落トレンドを描いている。

 グラフは首相就任時を100としたものだが、就任後、半年以内に細川政権は約2割、小泉政権は約3割の下落を経験している。やはり、政策の転換時には期待も強まるが、その反対給付として、不安や先行きに対する警戒感が投資家マインドを冷却させるようだ。