ゴルフダイジェストの取材で英国に行ってきたため先週はお休みをもらった。

 全英オープンの会場であるロイヤルリザム&セントアンズには一日5万人以上の観客が世界中から訪れる。マンチェスターの北西70キロ、アイリッシュ海沿いの田舎町は一気にお祭り騒ぎに包まれた。

 英国経済は絶好調とは言い難いもののかといって不景気とも言えない。確かに、市民生活はインフレで圧迫されているものの、2012年、国内各地で続く多種多様なイベントが、なんとはなしに国民の中に盛り上がりの空気を作っている。

 ロンドンでのオリンピックは言うに及ばず、エリザベス女王即位60周年、リバプールでのビートルズ誕生50周年、そして例年開かれるウィンブルドンでの全英オープンテニスなどもそうだ。もちろん、英国各地を移動する全英オープンゴルフもその例に漏れない。

 こうした伝統と文化を継続させるイベントコンテンツを持っている国は強い。住民参加のみならず、世界中から人を集めることで、地域経済の活性化や雇用の創出なども見込め、さらには税収増も期待できる。

 実際、ロンドンオリンピックの開催費用は、当初見込みの3倍が見込まれ、ロンドン市にとって財政的な負担になっている。住宅費や公共交通が上昇し、市民の不満も頂点に達しているが、それをオリンピックによる景気刺激策によって、ある程度まかなおうとしているのだろう。

 英国にはそうした武器となる文化があるのがうらやましい。いや、米国ほどではないがそれを活かすのがうまいのかもしれない。

 そのためには、官・民、そしてメディアも一体となって、それぞれの「祭典」を盛り上がるのに一役買っていることが大きい。

 翻って日本はどうか?