PER(株価収益率)は割安、割高の判断に使われることが多い株価関連指標だ。足元のPERが高くても、将来の利益水準で見て割安であれば、投資対象として魅力があるといえる。連載「ダイヤモンド 決算報」の企業業績・全体像編の第6回では、証券アナリストの予測を集計し、PERに基づいた3年後の割安株(予想低PER)ランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

トップはオフィスビル需要が堅調な西松建設
ネット通販向け段ボール需要増でレンゴーが5位

 前回に引き続き、アイフィスジャパンのIFISコンセンサスデータを基に3期先の業績を予想し、その予想に基づいたPER(株価収益率)を掲載する。

 同データは一つの企業に対して2人以上の証券アナリストによる予測をアイフィスが集計したもの。証券会社21社に所属するアナリストの予測を基にしている。

 具体的には、3期先予想純利益から3期先予想PERを算出し、その低い順に並べた。現時点でのPERより、3期先予想PERが低い銘柄に絞っており、その意味で3期先に、より割安になる「3期先の割安株のリスト」である。

 1位の西松建設は、オフィスビルなどの需要増加で売り上げは伸びているものの、採算悪化で増益率は若干のプラスにとどまる。ただ、2022年3月に向けて徐々に利益水準が上向くことと、もともと足元のPERが低いこともあり、トップとなった。

 段ボール最大手のレンゴーが5位に入った。インターネット通販向け段ボール需要の増加が業績を押し上げる。アナリストの業績予想の平均では、22年3月期の営業利益は、19年3月期に比べて6割増の417億円に達する見込みで、3期先の予想PERは7倍台だ。

 前回の3年後に伸びる企業(3期先予想増益率)ランキングで3位に入った日本郵船が、3年後の割安株ランキングでも10位に入った。コンテナ船事業統合による業績向上で、3期先予想PERは今期の12.3倍から8.2倍に大きく低下する。

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