「麻布→東大卒」でありながら「プロゲーマー」という経歴が、世間の話題となったときどさん。しかし順風満帆だった彼のプロゲーマー人生は、ゲーマー20年目の2013年ごろに壁にぶつかった。格闘ゲームのeスポーツ化による環境の変化によって、全く勝てなくなったのだ。
2冊目の著書『世界一のプロゲーマーがやっている 努力2.0』では、そのV字回復の軌跡を紹介しながら、ときどさんが毎日やっている「努力のやり方」を紹介している。「圧倒的に変化が激しい」eスポーツの世界で戦うために、必要なこととは何か。ビジネスマンにも役立つエッセンスを語ってもらった。

まじめなのに目標を達成できない人が見落としている「たった一つのこと」Photo: Adobe Stock

「ポリシー」が立派なだけでは勝てない

 前回の記事では、ポリシーを定めることの大切さについて述べました。自分が「こうありたい」というポリシーを持つことはプロとしてとても大事です。

 ただし、ポリシーや思いを持っているだけでは、何も実現できません。思いを背景に、具体的な目標を立てる必要があります。ただ、ここでひとつ注意すべきことがあります。それは、ポリシーをそのまま目標にしないこと。できるだけ具体的に、数字で表現できるかたちに変更することを意識してください。例えば僕は、次のような目標を立てました。

【ポリシー】ときどを通して「格闘ゲームっていいもんだな」と伝えたい
【目標】2018年のカプコンプロツアー年間ポイント1位

 ポリシーは抽象的なものなので、目標に落とし込むには段階を経る必要があります。

【ポリシー】ときどを通して「格闘ゲームっていいもんだな」と伝えたい

思いを知ってもらうには、勝って注目される必要がある

実況解説や YouTuberのようなタレント活動による啓蒙も可能だが、「格闘ゲー ムは真剣に向き合うのに値する」ことを僕は伝えたい

自らがトッププレイヤーとして、最前線で戦う姿を見せる必要がある

【目標】2018年のカプコンプロツアー年間ポイント1位