待望の新刊、『OPENNESS  職場の「空気」が結果を決める』が発売5日目に重版し、3万部を突破。著作の合計部数も30万部を超えた北野唯我氏。いま、人材マーケット最注目の論客であり、実務家だ。
その北野氏が、今回選んだテーマは、「組織」。発売即、重版が決まった自身初の本格経営書「ウチの会社、何かがおかしい?」という誰もが一度は抱いたことがある疑問を科学的、構造的に分析し、鮮やかに答えを出している。
なぜ、あなたの職場は今日も息苦しいのか。具体的に、何をすれば「オープネスが高い」組織がつくれるのか。明日、少しでも楽しく出社するために、一人ひとりができることは何か。本連載では、これらの疑問について、独自の理論とデータから解説する。
今回は、転職や就職をする際に、オープネスが高い会社を見分けるポイントについて、また、面接で必ず聞いたほうがいい質問について、北野さんのアドバイスをお届けする。
(聞き手・構成/樺山美夏)

転職の面接で「風通しの良い会社」「悪い会社」を見分ける3つの方法Photo: Adobe Stock

「職場の空気」を転職前に探る方法

――北野さんは、16万部を超えた著書『転職の思考法』で、転職に必要なのは「情報」でも「スキル」でもなく、確かな「判断軸」であると伝えています。そこでぜひ、今まさに転職や就職を考えている人に向けて、業績が良く風通しも良い会社を見分けるポイントについて教えていただけますでしょうか。

「職場の空気」という観点から会社を見分けるポイントは、3つあります。

まず1つ目は、あらゆるジャンルの社員や元社員が実名登録した上で、会社評価のクチコミを匿名で投稿しているオープンワークのデータをチェックすることです。「待遇面の満足度」、「風通しの良さ」、「社員の士気」、「社員の相互尊重」、「人事評価の適正感」、「人材の長期育成」、「20代の成長環境」、「法令遵守意識」の8つの評価軸で、社員や元社員のクチコミによるスコアが出ています。クチコミのカテゴリーにある「入社理由と入社後のギャップ」、「組織体制・企業文化」、「退職理由」など、働いた人にしかわからないリアルな生の声は、何よりも参考になる情報だと思います。

2つ目は、その会社が「成功談ばかりをオープンにしていないかどうか?」という点ですね。いい会社は、ミスや失敗や課題について隠さず説明してくれます。そこを見分けるためには、面接の際に質問するのが一番です。たとえば、「この一年間で経営上、一番失敗したと思うことは何ですか?」、「今、組織的に課題だと思っていることは何ですか?」といった質問をして、誠実にわかりやすく答えてくれるかどうか。これが、その会社のオープネスの高さを知るひとつの目安になります。