全世界でシリーズ累計100万部超のベストセラー『ブレイン・ルール』の第2作目にあたる『100万人が信頼した脳科学者の絶対に賢い子になる子育てバイブル』がついに日本上陸。「賢く幸せな子になってほしい」と願うすべての親のために、科学的に何度も「正しい」と認められた子育ての手法だけが紹介されている。本連載では同書より特別に一部を公開する。

子どもの語彙力がぐんぐん伸びる「魔法の6か月」Photo: Adobe Stock

生まれてすぐに音を聞きわけられる

 人間の知能には言語能力が重要な役割をはたしている。いったん子どもが言語能力の習得を始めると、その能力は見る間に伸びていく。生後1年半を迎える頃になると、大半の子どもは50の単語を発音できるようになり、100以上の単語を理解できるようになる。

 3歳を迎える頃、覚えた単語の数は1000にまで急増し、6歳になる頃には6000になる。誕生時から計算すると、日に3語の割合で新たな単語を習得していることになる。

 言語の習得はじつに複雑な過程を経る。語彙を増やすだけではなく、同じ音と見なされる音の集まり(音素)や単語の社会的意味(そこに込められた情緒的な意味合い)なども学ばなければならない。

 乳児は、言語のこうした特徴を驚くほど早い時期から追っている。

 生まれたときから、あなたの赤ちゃんはあらゆる言語の音を聞きわけることができるのだ。

 ワシントン大学の学習脳科学研究所の共同所長パトリシア・クールがこの現象を発見し、赤ちゃんのことを「世界市民」と呼んでいる。また、著名な言語学者ノーム・チョムスキーは次のように述べている。

「私たちは特定の言語を話す能力をもって生まれてくるわけではない。どんな言語でも話せる能力をもって生まれてくるのだ」