ウィルキンソン炭酸水拡大を続ける無糖炭酸水の市場。飲料メーカーは成長カテゴリーと位置づけ注力する Photo:Diamond

無糖炭酸水市場が拡大を続けている。2019年の市場規模は約500億円と、8年前と比べて3倍超になった。けん引役は、市場シェア48%と“王者”として君臨するアサヒ飲料の「ウィルキンソン」だ。独り勝ちを続ける理由はどこにあるのか。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

無糖炭酸水市場は8年で3倍超に
消費者の健康意識が後押し

「水にガスを入れただけの商品がこんなに売れるとは…」。無糖炭酸水市場の活況ぶりに、業界関係者はポロリと本音を漏らした――。

 無糖炭酸水市場が絶好調だ。インテージSRIの調査によれば、2019年の市場規模は約500億円で、11年と比べて3倍以上に拡大した。

 無糖と有糖を合わせた炭酸飲料全体の市場は、19年は前年比96%と縮小している(飲料総研調べ)。炭酸飲料全体の約8割を占める有糖炭酸水の消費者離れが続く中で、無糖炭酸水が消費者の支持を集める背景にあるのは、健康意識の高まりだ。

 無糖炭酸水を日常的に愛飲するある男性は、「炭酸が入っていることで、脂質はもちろん糖質を一切摂らずにお腹が膨れる」と説明(都内・30代)。糖分摂取を控える消費トレンドが、市場拡大を後押ししている。