日本製鉄の宮本勝弘副社長(左)と右田彰雄副社長。日鉄上層部では、昨年5月ごろから設備統廃合の本格的な協議がなされていたようだ日本製鉄の宮本勝弘副社長(左)と右田彰雄副社長。日鉄上層部では、昨年5月ごろから設備統廃合の本格的な協議がなされていたようだ Photo by Mieko Arai

日本製鉄が、新日本製鐵と住友金属工業の統合以来、維持にこだわってきた生産能力の大幅削減に動く。今回休止の対象となったのは呉製鉄所(広島県)などが中心だが、改革はこれで終わりそうもない。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)

「俺は嫌われてもいいんだ」。鉄鋼最大手の日本製鉄(旧新日鐵住金)の橋本英二社長はここ数カ月、覚悟を決めたようにこの発言を繰り返していたという。

 まさにその覚悟を形にして示したということか。2月7日、日鉄は生産能力の大幅削減を発表した。主な施策は、現在は完全子会社で、4月1日に吸収合併する日鉄日新製鋼の呉製鉄所(広島県)の2023年9月末までの閉鎖。そして、和歌山製鉄所の第1高炉の22年9月をめどとした休止だ。

 全工程の一貫休止(呉)や、09年に火入れしたばかりの新しい高炉の休止(和歌山)といった異例の合理化を行うことで、年間約1000億円の収益改善を図る。

 だがそれと引き換えに、新日本製鐵と住友金属工業が統合して新日鐵住金が誕生して以来、「こだわり過ぎだと思うほど維持にこだわってきた粗鋼生産量」(金融筋)は年間約500万トン(連結ベースで10%相当)減少する見込みだ。