全世界でシリーズ累計100万部超のベストセラー『ブレイン・ルール』の第2作目にあたる『100万人が信頼した脳科学者の絶対に賢い子になる子育てバイブル』がついに日本上陸。「賢く幸せな子になってほしい」と願うすべての親のために、科学的に何度も「正しい」と認められた子育ての手法だけが紹介されている。本連載では同書より特別に一部を公開する。

子どもの「しつけ」と「うつ」の関係Photo: Adobe Stock
 

しつけでお尻を叩いてもいいの?

「しつけの一環として、子どものお尻を叩いてもいいのか」問題には賛否両論があり、いまなお議論が繰り広げられている。実際、子どものお尻を叩くしつけを禁じている国も多い。

 長年、大勢の研究者たちがこの手法の有効性を評価しようと奮闘してきたが、その結果、混乱が深まることも多かったうえ、期待とは正反対の結果が生じたこともあった。

 最近、物議をかもしたのは、アメリカ心理学会の支援を得て児童発達の専門家で構成された委員会が5年にわたり実施した、研究論文のレビューだ。

 その結果、委員会は体罰に反対する姿勢を表明し、ほかの懲罰と比べてお尻を叩かれた子どもは問題行動を起こしやすくなるうえ、攻撃的になり、抑うつ状態になりやすく、不安を覚えやすくなり、IQが低くなると発表したのである。