耳の不調を感じた35歳妻写真はイメージです Photo:PIXTA

小学生のころからの症状が
産後、急に悪化した

「耳管開放症ですね」

 診断名を聞いた朋子さん(仮名・35歳)は(やっぱり)と思った。症状をネットで調べ、あれこれ検討した結果と合致していたからだ。ただし、診察を受ける段階では「耳管開放症だと思うんです」とは言っていない。知ったかぶりをして全然違う病気だったら恥ずかしいし、生意気な患者と思われても困ると考えた。

 それに正直、「病気」という自覚は乏しかった。というのも、あまりにも長期間に渡って付き合ってきた症状だったからだ。

 朋子さんは、小学生のころから、何かの拍子に耳の穴が塞がったように感じになり、以下のような症状があらわれていた。

・音がくぐもって聴こえたり、聴こえにくかったりする
・徒競走などで頑張って走っている最中や後に、ハアハアという自分自身の呼吸音や心臓のドキドキ音、ザーザーという血液が流れるような音が頭の中で大きく聴こえる
・自分の話し声が変な感じに聴こえる
・上記の症状に伴い、耳が痛くなるときがある

 そう、エレベーターや飛行機に乗った際や、風邪を引いたときなどになる、あの症状が、日常的にあったのである。