新型コロナウイルスの感染予防対策で、タクシー車内の消毒を行う担当者(2月16日撮影)新型コロナウイルスの感染予防対策で、タクシー車内の消毒を行う担当者(2月16日撮影) Photo:JIJI

昨年末、中国湖北省・武漢で発生した新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)。今月13日には国内初の死亡例が公表されたほか、感染経路がはっきりしない症例の報告が続いている。2月17日20時現在、日本国内の感染者数は65人(ダイヤモンド・プリンセス号は369人)、死亡者1人で、政府は17日、日本も「国内発生の早期」段階に入ったとしている。2003年に世界的に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)と比較しながら、今後の対策を考えてみよう。(医学ライター 井手ゆきえ)

致死率はSARS、MERSより低い
感染力はSARSより高い可能性

 WHO(世界保健機関)は今月11日、新型コロナウイルス(2019-nCoV)による肺炎を「COVID-19」と命名した。Coronavirus(コロナウイルス)とDisease(病気)の文字と発生年の2019年を組み合わせた名称だという。ウイルス自体の名称は13日、国際ウイルス分類委員会により「SARS-CoV-2」と決定された。ゲノム配列もSARSの原因ウイルスに類似していることから命名されたようだ。

 次の表はWHOが公表しているファクト・シートや国立感染症研究所などの資料を基に作成している。COVID-19については、ジョンズ・ホプキンス大学CSSEが提供している感染マップの情報も参考にしている。なお、COVID-19については2月17日20時の時点の暫定値である。
https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6
(ジョンズ・ホプキンス大学CSSEのCOVID-19マップ、クルーズ船内の感染者はDiamond Princessでカウントされている)

新型肺炎とサーズ、マーズ、季節性インフルエンザとの比較筆者作成 拡大画像表示