何かを説明していて、「あれ、なんだか話が通じていないな」という時はありませんか? そういう場合は、「自分の使っている単語と相手が使っている単語の定義が同じかどうか」を確かめましょう。

 分析やコミュニケーションの場においては、使う単語が何を指しているかを最初に定義すると、その後の話が効率的に進みます。

 プレゼンテーションや報告書においても論理的に記述するためには、使う単語の定義を始めに行い、相手を混乱させないように、同じ意味を持つ別の単語の使用を避けます。文章が味気なくなると思われるかもしれませんが、内容を正確に他者に伝達することが優先される時には、そのほうが効率的です。創造性は別のところで発揮しましょう。

 下の(1)と(2)を比べてみてください。

(1)部門責任者及び同職位の上長からの決裁をもらう際には、直接上司からのアプルーバルの必要性を総務部に確認すること。

(2)部門責任者及び同職位の上長からの決裁をもらう際には、直接の上長からの決裁の必要性を総務部に確認すること。

 (1)の文章では、「上長」と「上司」、「決裁」と「アプルーバル」が同じ意味であるにもかかわらず、異なった単語が使われています。

 一方、(2)では同じ意味を持つ単語は統一して使用されています。同じ意味であるのにかかわらず、単語を統一せずに、複数の単語を使用すると混乱を招くことにもなります。

 定義が同一であれば単語を統一し、もし定義が異なるのであれば、別の単語を使うべきなのです。