都内ブラックストーンは日本の集合住宅に投資することで、下方リスクを限定しつつ、2桁台のリターン確保を目指しているとみられる Photo:Reuters

 米大手投資ファンドのブラックストーン・グループは、市場を上回るリターンを稼ぐためのジョナサン・グレイ社長お気に入りの「公式」に従うことで、世界有数の不動産投資会社へと上り詰めた。すなわち、購入し、リフォームし、売却するのだ。

 ただ、同社の不動産部門責任者を務めたこともあるグレイ氏は、このところは一段と抑制的な手法を採用している。それは購入後、あまり手間を掛けず、一定期間保有するというものだ。

 ブラックストーンが急速に運用額を伸ばしているこの新分野のファンドは、比較的問題のない不動産に投資し、より着実な(概して控えめではあるが)リターンを提供するものだ。

 最新提出資料によると、ブラックストーンは、不動産投資業界で「コアプラス」と呼ばれるこの戦略で294億ドル(約3兆2400億円)の資金を集めた(ブラックストーンの非上場不動産投資信託を含まない)。この金額はハイリスク商品が大半を占める同社の不動産投資の運用総額1630億ドルに比べると依然小さな金額だ。だがグレイ氏は2018年の投資家向けプレゼンテーションで、このビジネスが「2億5000万ドルという今日の収益水準から、向こう数年で10億ドルに伸びる可能性がある」と語っている。