接骨・鍼灸・マッサージの深い闇#6Illustration by Mari Mitsumi

接骨院や鍼灸院の供給過剰を招いた元凶とされているのが、養成学校の粗製乱造。この20年でその数が8倍に増えているのだ。特集『接骨・鍼灸・マッサージの深い闇』(全6回)の最終回では、その背景にある業界団体や厚生労働省などの思惑とあきれた裏事情を白日の下にさらす。

「週刊ダイヤモンド」2019年11月16日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの

接骨・鍼灸・マッサージの深い闇
「諸悪の根源」はある裁判

 療養費(保険)の不正請求に本来業務と異なる施術の横行、そして収入の低下にチェーン店舗の増加……。柔整(柔道整復)・あはき(あん摩マッサージ指圧、鍼、灸)業界を取り巻く現状の“元凶”は一体誰なのか。

「諸悪の根源はあの裁判だった」。柔整・あはきの業界関係者が口をそろえて悔やむのが、1998年に福岡地裁で下った一つの判決だ。