シルバーモンスター高齢者のクレーマー「シルバーモンスター」が急増しています(写真はイメージです) Photo:PIXTA

シルバーモンスターを5タイプに分類

 近年急速に進む高齢化社会の影響により、老齢の悪質クレーマー「シルバーモンスター」に悩まされている現場が多く、その相談も年々増加しています。

 いきなり怒鳴り声をあげたり、延々と数十年前の現役時代の話をし続けたり、人当たりはいいけれど女性従業員のプライバシーを詮索し続けたり……と、一言でシルバーモンスターといっても、いろいろなタイプがいるため、その対応を困難にします。もちろん、あらゆる世代にクレーマーは存在しますが、シルバー世代の方はそのクレーマーの特徴が顕著なケースが多いように感じます。

 今回はシルバーモンスターを5つのタイプに分類し、タイプごとの特徴を洗い出しました。相手を知れば対応も円滑に進みます。ぜひ、5タイプすべての特徴を押さえて、適切なクレーム対応ができるようにしましょう。

【タイプ1】世直し気取り・インテリ型

「おたくのホームページに書いてある企業理念は嘘なのか?」
「この方法で安全は保証できるのか?」

 企業の商品やサービスのほんのささいな瑕疵(かし)を見つけては問い合わせの電話やメールを繰り返す――。金銭的な補償ではなく、自らのクレームへの明確な回答や改善を強く求める場合、このタイプにあてはまる可能性が高いです。また、企業戦士だった現役時代の知識や競争社会で身に付けた交渉力を武器にして、担当者を論破しようとする特徴もあります。

 彼らは金品をかすめ取ろうとしているのでもなければ、必ずしも悪意をもってクレームをつけているわけでもありません。正論で意見しながら、次第に善意による説教へとエスカレートしていきます。商品や取扱説明書を熟読・分析し、理論武装した重箱の隅をつつくようなクレームの数々は、正当性も高いため一概にクレーマーだと扱うことができず、対応を困難にします。

 こうしたシルバーモンスターたちは、自分の居場所が見つからないという鬱屈した感情を抱え込んでいることも多いため、「ご指摘ありがとうございます」「ご意見ありがとうございます」などの言葉に快感を得て、企業に接客の極意を説いてしまう、「世直し」気取りなのです。