いまこそ買いたい中古マンション#09画像提供:大阪府・大阪市IR推進局

近畿圏の新築市場は堅調だ。首都圏に比べ価格が相対的に安くとどまっているが、上昇率だけで見ると首都圏を超えている。大阪の統合型リゾート(IR)誘致なども影響を与えそうな中、近畿圏での物件選びで気を付けたいポイントとは。特集『いまこそ買いたい 中古マンション』(全11回)の第9回は、大阪・近畿圏のマンション事情について解説する。

「週刊ダイヤモンド」2020年2月29日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの

近畿圏の新築市場
価格上昇率は高いがそれでも割安

 新築の売れ行き不調と中古シフトが鮮明な首都圏に対し、近畿圏は少々事情が異なる。

「首都圏と比べると、近畿圏の新築市場は堅調といえる」と、不動産経済研究所大阪事務所の笹原雪恵所長は分析する。

 同研究所のまとめでは、2019年の近畿圏(2府6県)の新築の契約率は74.1%。前年から0.4ポイント減だが好調とされる70%以上をキープしている。この数字には投資物件も含まれるが、それを除いても70%近いといわれ、首都圏(62.6%)を大きく超える。

 この理由はずばり価格だ。19年の坪単価は68万円と、10年前と比べ1.4倍に伸びている。この上昇率は首都圏をはるかに上回るが、それでも平均価格は3866万円。つまり、「首都圏と比べると大幅に安く、まだ一般的なサラリーマンが購入可能な価格帯にとどまっている」(笹原所長)というわけだ。