ジョー・バイデン氏バイデン氏は民主党の予備選が集中したスーパーチューズデーで躍進した Photo:Allison Zaucha/The Wall Street Journal

【ワシントン】米大統領選に向けた民主党の予備選が集中した3日の「スーパーチューズデー」は、ジョー・バイデン前副大統領が多くの州で勝利を収めた。一方、バーニー・サンダース上院議員(バーモント州)はカリフォルニア州を制し、大統領選の党候補選選びは実質的に候補2人の勝負に絞り込まれた。今後の予備選を通して激しい闘いが続きそうだ。

 バイデン氏と候補指名を争ってきた中道派の対抗馬は1人、また1人と撤退し、バイデン氏の支持に回った。4日にはマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長も選挙戦からの撤退とバイデン氏支持を表明した。ブルームバーグ氏は多額の個人資金を投じたが、目立った勝利につなげることはできなかった。エリザベス・ウォーレン上院議員は地元のマサチューセッツ州で3位に甘んじ、4日時点では今後について検討している、と同氏の選対本部長は述べた。

 サンダース氏とバイデン氏は、民主党の二つの党派の旗手となる勢いだ。米経済における政府の役割を大きく拡大したいリベラル派と、党のエスタブリッシュメント(既得権層)を中心とした穏健派だ。

 サンダース氏は4日、バイデン氏に対し一層の強硬姿勢で臨む構えをみせた。サンダース陣営は今月17日に予備選が行われるフロリダ州でテレビ広告の放映を開始。バイデン氏が何年も前に、連邦支出の凍結に社会保障費用も含めるべきだと発言した際の音声を広告に含めた。民主社会主義者を自任するサンダース氏は他にも、バラク・オバマ前大統領が同氏を称賛している様子を描きつつ、自身の情熱を売りにしたモットー「Feel the Bern(フィール・ザ・バーン)」を折り込んだ広告を打ち出した。だがその広告からは、2016年大統領選の民主党候補だったヒラリー・クリントン氏をよく知っているが、サンダース氏のことはそれほどよく知らないと前大統領が語っている部分は削除されている。

 サンダース氏はスーパーチューズデーの前でさえ、バイデン氏が支持を取り付けていることについて、民主党の実力者たちがサンダース氏の指名獲得を阻もうとしている兆候だと主張し始めていた。

 バイデン陣営の共同責任者を務めるセドリック・リッチモンド氏は、サンダース氏の主張にこう反論した。