週刊ダイヤモンド 9月13日を境に、銀座の街が変わった。年齢層が若返り、カジュアルでポップな人が闊歩する。

 なにやら見慣れない赤・黒・白の紙袋をぶら下げた人に、「その店、どこにあるんですか?!」と聞く人、多数。紙袋の持ち主が指差す方向を見ると、妙な光景が見えてくる。

 長蛇の列だ。13日に何があったのか――。そう、世界最大手ファッション専門店のH&Mがオープンしたのである。

 「ただいま3時間待ちです」。初日は、「今どきディズニーランドだってそんなに待たないぞ」と思うほどの人気ぶり。

 1ヶ月経った今をもってまだ、休日は90分待ちもザラというから驚きだ。そのおこぼれをもらって、ZARAとユニクロも大混雑。今までの、銀座独特の敷居の高さは影を潜め、新たな“消費の波”が押し寄せている。

 この波を見ていると、疑問が沸いてくる。「日本の消費は鈍化してはずではないのか?」。
 
 株価低迷、原油高、食品の相次ぐ値上げ……、生活防衛意識が高まり、消費者の財布の紐は固くなっているといわれる。流通業界にとって大逆風だ。

 しかし、消費者はすべてのものを買い控えるわけではない。こんな状況だからこそ、買うもの、場所、接客など、すべてのものを吟味して消費の場を決めるのだ。

 つまり、逆風が吹いていようとも、売れるところは売れるのだ。

 流通業界の不調が目立つのは、これまで業界を牽引してきた百貨店や総合スーパーの調子が悪いから。

 それら総合店舗が、消費者のニーズの変化を取りこぼし、消費の波に乗りあぐねている間に、新勢力が着々と力をつけてきた。

 H&Mしかり、ユニクロこと、ファーストリテイリングしかり、だ。

 古い歴史があり、ノウハウも豊富なはずの百貨店・総合スーパーができずに、新勢力ができたこととはいったい何なのか。どんな店が売れ、どんな店が売れないのか。この逆風を逆手に取る方法とは?!

 本特集では、その辺の“事情”を大解剖。賢くなり続ける消費者をめぐって、新旧大合戦を繰り広げる流通業界を徹底分析します。

 11月の原宿、来年秋の渋谷に続いて、「モールにも進出」と語るH&Mをめぐり、裏で激化する各社ディベロッパーのH&M争奪戦も明らかに!是非、ご一読ください。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 新井美江子)